映画『からおけ行こ!』は、和山やまの人気コミックを実写化した作品です。この映画は、変声期に悩む合唱部の男子中学生と、歌がうまくなりたいヤクザとのユニークな交流をコミカルに描いています。主演は綾野剛が務め、新星・齋藤潤がオーディションで選ばれたことも話題を呼んでいます。2024年1月12日に劇場公開され、注目の作品としてランキング30位内に入るなど、上映前から大きな期待を集めています。
からおけ行こ!作品概要・見どころ
『からおけ行こ!』は、不器用ながらも純粋な中学生・岡聡実と、一見怖そうながらも歌に真剣なヤクザ・成田狂児の奇妙な友情を描いています。綾野剛と齋藤潤の演技力に加え、山下敦弘監督の繊細な演出と野木亜紀子の脚本が見どころ。また、主題歌を務めるLittle Glee Monsterのパワフルな歌声も作品の魅力を高めています。登場するカラオケソングリストには、X JAPANの「紅」や米津玄師の「Lemon」など、多彩な楽曲が盛り込まれており、音楽ファンにも楽しめる要素が満載です。
からおけ行こ!映画原作
原作は和山やまによる人気コミック『からおけ行こ!』です。中学生とヤクザという異色の組み合わせながら、互いに理解し合い成長していく様子がユーモラスに、そして時には心温まるエピソードで描かれています。原作のファンはもちろん、原作を知らない人でも楽しめる内容となっています。
からおけ行こ!映画登場人物の紹介
- 成田狂児(演:綾野剛): 歌がうまくなりたいという一心で、中学生に歌唱指導を依頼するヤクザ。綾野剛の演技により、厳つい外見とは裏腹に、心優しい一面が描かれます。
- 岡聡実(演:齋藤潤): 合唱部の部長を務める中学生。突然のヤクザからの依頼に戸惑いながらも、狂児との交流を通じて成長していきます。
からおけ行こ!映画感想
綾野剛さんが白目をむいてX JAPANの『紅』を絶唱するシーンに圧倒されました。予備知識なしで観に行ったのですが、これは大画面のスクリーンで見て大正解。小さなカラオケボックスの個室に没入できる不思議な瞬間でした。歌下手なヤクザの若頭補佐の成田狂児(綾野剛)と、生真面目で純朴な中学三年生の合唱部部長・岡聡実(齋藤潤)くんの、不思議な友情物語です。成田はほぼ命がけで歌をうまく歌いたいと願い、まるで拉致するように岡くんをカラオケに誘いましたが。ビビっているのか、意味が解らないのか、怖いもの知らずなのか、岡くんはばっさりと成田のヘタクソな『紅』をぼろクソに批評します。原作の再現度も素晴らしい上に、齋藤潤くんの淡々とした芝居と、綾野剛さんに拮抗する存在感が凄いと思いました。ごく普通の家庭に育ち、ごく普通の中学生活を送っていた岡くんと、ほぼ全く交錯する余地のなかったはずのヤクザの成田が『歌』を通して接点ができてしまい、LINEでやり取りする不思議な世界線です。短い間に二人のこれまでの人生がさらっと、しかし濃密に描かれていて、その厚みがあったからこその二人の『今』の描き方が鮮烈で、面白い…ピュアな岡くんと、実はもっとピュアだった成田が不思議と惹かれ合ったのがじわじわと納得できる流れはとても巧みでした。そんな中でも、短いながらに凄まじい存在感を表したのが成田の家族たちです。母親・和子のヒコロヒーさんと、祖父の正の加藤雅也さん。なぜ成田の本名が『狂児』だったのか…そんな名前をふつう付けるか?!と思われるような理由が明かされた時、映画館だったのに爆笑してしまいました。ダンディなイメージの加藤雅也さんがまさにクズの初老男性を演じる瞬間、そして関西なまりの二人の会話が妙にしっくりと心に、良くも悪くも残ります。そして、岐阜県出身の綾野剛さんと、神奈川県出身の齋藤潤くんのナチュラルな関西弁も素晴らしいです。違和感なく、喋らされている感なく、するりと世界に引き込んでくれる二人の会話が心地良いものでした。いろんな意味でファンタジー…ありえない設定ではありますが、このヤクザと少年の友情(?)は素敵で、最後にはふんわりと笑いを誘われてしまう物語です。綾野剛さんが”岡くん”をしっかりと引っ張り上げて隣にいて、でも目立ち過ぎない絶妙な”成田”を演じていたのも凄かったと思います。できれば…数年後に大学生になった岡くんの物語である『ファミレス行こ。』も映像化して欲しいなぁ、同じキャストで!…と思ってしまいました。
からおけ行こ!上映はいつからいつまで?
2024年1月12日に公開された『からおけ行こ!』は、各地の映画館で絶賛上映中です。上映期間は劇場によって異なるため、ご覧になりたい方は事前に確認してください。
この記事を通じて、『からおけ行こ!』の魅力を多くの方に伝えられたら幸いです。映画の感想や口コミもぜひ共有して、この作品の魅力を広めていきましょう!
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