「コンクリート・ユートピア」と言う映画を字幕版で観て来ました。絶望的な状況下で理想的なコミュニティを築くのがどれだけ大変なのか、団結力と言う物がどのように働くのか、そのコミュニティ内では上手く回っているように見えても、外野からはどう見られているのか。
【コミュニティを築く事の難しさを感じました。】
と書いてありますが、まさにこの通りです。絶望的な状況では手段を選んでられない状況がいくつも起こるでしょう。題名に「ユートピア」と付いていますが、ユートピアとは理想郷。本当の意味で「理想郷みたいなコミュニティ」を築く事は、奇跡みたいなバランスを保たない限り不可能に近いのかもしれないです。
理解不能な地盤隆起と建物の倒壊が波のように襲ってくる。初めて観る映像でしばらくあっけにとられた。
そして不思議と一棟だけ無事だった高層アパートの住民達の過酷なサバイバルの日々が始まる。集団で生き残るには住民の組織化と助け合いが必要(人間の本能)。選ばれた代表は住民からの支持を獲得し、次第に「力」を得ていく。
文明が発達する前の人類のコミュニティ構築の過程もおおよそこんな感じだったのかも、と観ていると、徐々に追い詰めらた住民と代表が狂気に走り始める。
代表ヨンタクは悪人だったのか、ミンソンは間違っていたのか、正しかったのはミョンファか?一見、ミョンファは極限状態でも人間らしさを保つ好人物のように見えるが、その正義感に基づく行動で少女や外部の人間をかくまう男を死に追いやってしまう。
突然の大規模な地盤隆起によりソウルの街は壊滅状態に陥る。
ほとんどの建物が全壊した中で唯一崩壊しなかったマンション、それがファングンアパート。
周辺から多くの人が避難してくるが、同時に不法侵入、殺人未遂、放火などの事件も頻発するようになる。
部外者を脅威と感じ始めたマンションの居住者たちは、住民だけのルールを作って居住者以外を追い出していくことに。
そんな「住民たちのためのユートピア」の代表に選ばれたのは902号室の冴えない男、ヨンタクであった。
韓国映画で観たいものが全て詰まっている。
確かに公開はタイミング的に最悪ではあった。
考えないようにしても元旦のことが少し頭を過ぎる。
ただ、あくまでもエンタメだ。そして映画だ。
大災害はいつ起きるか分からない。
それと同時にこういったことが起きないとも言い切れない。
実際に自分が住人だったらどうだったろう。
恐らく同じように集団心理に飲まれていたと思う。
私はこの映画を思いきり評価したいです。
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